凄い言葉
入院による抗がん剤治療も後半戦に入りました。このまま順調に進めば4月の第1週に退院が出来、そこからは外来にての治療で治していく事ができます。
多くの方から励まされるメッセージをいつも頂けること。
親身になって共に戦ってくれる医療スタッフに心より感謝です。
どれだけ自分の力となっているか。言語を超えるものがあります。
入院時、いつも看護師さんに聞かれます。「何かご不住なことは御座いますか?」
点滴に繋がれている以上自由ではないので不自由なのかもしれません。でもそれは治療であって不住ではない。
でも、ひとつだけこれはなんとかならないかと思うことがあります。
それはシャワーです。点滴は点滴ホルダーというものに吊り下げられていて、そこからチューブを通って血管に流れていきます。ライブで僕たちが使っているマイクスタンドと全く同じ構造です。マイクが点滴治療液に変わっただけです。
僕は毎日シャワーに入れるのですが後輩の2人は週に2回ほどそれも看護師さんの介護がなくては入れません。それに比べれば僕は恵まれ過ぎです。
しかし、身体とチューブが繋がっている点滴ホルダーを付けたままシャワーを浴びなくてはいけません。ホルダーは転がっていくはチューブは身体に巻き付くは大騒ぎなシャワータイムなのです。
そこで僕はベテラン看護師さんにお願いをしました。
「シャワーの時だけ点滴を外してもらえませんか?」
ベテラン看護師さんの一言。
「点滴ホルダーなんてないと思うことです!」
「・・・・・」
「点滴が落ちても、外れてもいいです。私たちがすぐに補助します」
「ハッはい!ないと思え!」
思いっきりみぞおちに入った言葉でした。
便利という言葉さえ気付かないほど便利な時代。
何か不住があったら慌てふためくな。不住などないと思え。
粋な言葉にすっかり身体が洗われました。